【4歳児 年中組の様子】
<4月:期待と不安からのスタート>
初めての進級は、楽しみな気持ちと不安・緊張とが入り混じった様子で、まだまだ昨年度の担任や友達がよりどころになっている。
→これが当たり前で、年中組の自然な姿なのです。
<5月:トラブルも成長のあかし>
連休明けごろからは、それぞれに自分の思いを主張してぶつかるというようなトラブルも増えてきた。
→しかしトラブルは、困ったことばかりではないのです。新しいクラスに安心して自分の思いを出せているという成長のあかしなので、否定的に捉えず、まずは自分の思いを相手に言葉で伝えるところを大切にして、先生がしっかりと間に入りながら解決することを意識しました。
<6月:クラス意識の芽生え>
クラスの先生とたくさん遊ぶ中で、安心して園生活を送る姿が多くみられ、クラスの友達とリラックスして遊ぶようになってきた。
→担任との信頼関係をよりどころとしながら、クラス意識が芽生え始めました。
6月のある日…
年中組の5人の子ども達と先生が、保育室前のテラスで先生につかまると、くすぐられる『こしょこしょ鬼ごっこ』をしていた。
その楽しそうな様子をみていた他の子ども達も「いーれーてー!」①とやってきた。
人数が多くなってきたので、広いホールへと移動することに。
鬼ごっこの続きをしていると、A児が先生に「先生がワニになるっていうのはどう?」と提案。②
先生は「みんなに言ってみようか」と誘い、A児がみんなに伝えると「いいよー!」という声が返ってきた。③
新しいルールになった鬼ごっこを進めていると、B児が「ワニに食べられたら、食べられた人もワニになるのはどう?」とみんなに向けて提案。
他の子ども達も「いいなー!」と盛り上がり、今度は子ども達の中からワニである鬼役を決めた。④
「キャー!」「食べられるー!」と大きな声をあげながら遊んでいる様子に誘われ、
最後にはクラスの垣根をこえて、『こしょこしょ鬼ごっこ』から『わにわに鬼ごっこ』に変化したゲームを楽しんでいた。⑤
こんな学びが
今回の遊びを通して…
“わにわに鬼ごっこ”では、意見を出して実践し、それが「おもしろい!」と感じると、「もっとこうしたい!」「もっとやりたい!」という工夫や学びへの意欲があふれていくことを実感した。
そしてそのような状況の中では、相手の出す案に対して「いいね!」「そうしよう!」という共感・協調・同調の言葉が自然と生まれていて、年度当初と比較すると、新しいクラスの中での友達関係のつながりと深まりが感じられる。
このような経験をさらに重ねていくことで、友達に自分の意見を受け入れてもらえる喜びや自信、そして友達の多様な意見に出会ったり、受け入れたり、取り入れたりしていく面白さに気付いていってほしいと願う。
文責:御室幼稚園 宮原縁
御室幼稚園ホームページ https://www.omurokid.ed.jp/